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カテゴリ : 日本と世界の文化

埼玉県経済同友会海外視察 「強いアメリカと弱いアメリカ」 3

他方、「アメリカの弱さ」にも注目せざるを得ませんでした。アメリカ経済の7割を占める消費経済が本格的に立ち直るにはまだしばらく時間がかかるようです。全米の失業率は当時9%台と言われていましたが、10月の失業率は10.2%とついに二桁に達してしまいました。ヘリテージ財団のクリンガーさんが「今後米国は2013年まであと3年は経済の停滞が続くのではないか」と心配していましたが、アフガニスタン問題などの国際問題や医療保険問題などの国内問題を抱えるオバマ政権のかじ取りは決して楽ではありません。最近のオバマ支持率も50%に急落しているようで、今後の政治情勢も決して楽観は出来ないでしょう。「アメリカの強さ」と「アメリカの弱さ」が今後どのようにダイナミックな展開をしていくのか、ぜひ注視していきたいと考えています。



岡本比呂志

埼玉県経済同友会海外視察 アメリカ 「強いアメリカと弱いアメリカ」 2

まず、「アメリカの強さ」ですが、それは広大な国土と資源、今なお増え続ける先進国最大の人口と経済規模、世界の基軸通貨であるドルと世界最大の輸入と消費、世界から投資資金を集める集金システム、世界最大最強の軍事力と政治力、そして忘れてはならないのが、世界から優秀な人材と頭脳を集める世界最大最強の大学システムです。ボストンで、東京大学医学部からハーバード大学に研究者として活躍されていらっしゃるドクター水野由子女史がいみじくも言われたように、まさにハーバード大学は医学・医療の分野でも世界トップレベルの水準とトップレベルの人材を集める強力なシステムを有しています。
アメリカ滞在中に飛び込んできた「オバマ大統領ノーベル賞受賞決定」のビックニュースにも驚かされましたが、就任早々米大統領としてはじめて「核のない世界」を唱道したのは人類の歴史にとって大きな一歩ではないかと思います。

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埼玉県経済同友会海外視察 アメリカ 「強いアメリカと弱いアメリカ」

今回の北米経済視察のミッションにはオバマ政権発足後のアメリカがどのように変わろうとしているのか、その経済はいつどのように復活するのか、日本及び世界との関わりはどのように変化するのか、そうした大きなテーマがありました。
私は8日間のアメリカ経済視察を今振り返ってみて「強いアメリカと弱いアメリカ」という二つの相違なる言葉がどうしても脳裏をよぎります。それをキーワードに若干の感想を述べてみます。

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イタリア経済産業視察に関して

・ヨーロッパ最古の大学にして世界の大学の原点とも言われるボローニャ大学(1088年創設)を訪問できたことも大変有意義でした。かつてダンテやガリレオ、コペルニクスも学んだという歴史の重みを感じつつ、世界最古の人体解剖室を見学し当時のキリスト教の様々は規制にもめげずに医学の進歩に貢献した先達者の偉大なる精神にしばし思いを馳せることができました。また、同大学の経済学部教授と学生いから最近の様子を直に聞くことができました。同大学ほどの名門であっても就職は決して楽ではなく、大学が率先して企業と提携し学生のインターンシップを後押ししていることが印象的でした。

・イタリアの経済、ものづくり、農業とワイン製造、商業と店づくり、高級住宅街や高級リゾート地、観光産業、大学と企業と州政府の「産官学連携」、そして美しい自然と歴史的な遺産をつぶさに視察でき、まあイタリア料理とワインを十分に堪能して色々な角度から「生のイタリア」を体験できたことはとても大きな収穫でした。そして何よりも、全員が無事に帰国できましたことに心より感謝申し上げます。相川団長、藤原副団長、室久保専務をはじめ皆様には大変お世話になりましたことに改めて御礼を申しあげます。

岡本比呂志

イタリア経済産業視察に関して

・ボローニャでは、高級自動車メーカーのフェラーリとともに世界的に有名な高級自動二輪のメーカー「ドゥカーティ社」の工場、コモではイタリアの伝統的な高級家具メーカー「SILIK」の工場を見学し、イタリア人の職人気質やその拘りの精神に触れることができました。しかし、中小企業の職人育成には人材の確保も含めていろいろな課題があるようです。
・イタリアでは大企業が少なく精々上位500社程度であり、大部分は中小・零細企業で職業の世襲も多いようです。若い人のサラリーもあまり多くはなく、なかなか自立できない人もいるそうです。イタリア人の現実の生活はそれほど楽ではないようです。



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