岡本比呂志 Profile

日本の教育、イノベーション、IT、ビジネス|岡本比呂志

2015年01月

この「どうする日本の教育!」は、私、岡本比呂志が平成17年5月25日に開催された埼玉経済同友会主催の「会員懇談会」において、講演をさせていただいたときの講演要旨です。是非皆様にもご一読していただき、ご感想やご意見を頂戴できましたらありがたく存じます。

【質疑応答】
Q.私の企業では、二年前に高校の先生を一年間預かりました。毎年五人ぐらいは企業で学んでいると思います。先生は企業から目からうろこでいろいろ学び、こんなに学校と企業は違うのだということを学んで帰ります。ただし、一年間で一人ですから、学校に戻りますと現実には娑婆から帰ってきたというような歓迎ムードになってしまい、学んだことがなかなか活かせないのも事実だと思います。今までに約四〇名位企業で経験した方がいるのですが、学校に一名ずつバラバラにいます。そこで、一つの学校に、企業経験をした教員を五名から六名くらいをいれた学校を作ってみたらどうかと提案したことがあります。一人だと意見が言えないこともあるでしょう、洗脳されてしまうこともあるでしょう。このようなことを、埼玉経済同友会で提言していくのはどうでしょうか。それから、学校の先生は三〇歳過ぎてから募集するのが良いのではないか。大学を出て、企業などで五年から八年間くらい働いた優秀な人で、その後教職に携わりたいという人を教師にすることが良いのではないでしょうか。

A.教員を産業界で経験させることはとても大事なことだと思います。学校という閉鎖社会でしか経験していない教員にとっては、大きな意味があると思います。企業経験、社会経験を積んだ人を教師にすることはとても良いことだと思います。実は、公立の小中学校の二〇歳代、三〇歳代の教員構成は極端に少ないのです。こどもたちには、体当たりしてやってくれる若い先生も大事です。財政に余裕が無いから、採れない、採らなかった。あと一〇年で、五〇歳代の中高年の先生が大量に退職します。いまは学力低下が大きな問題になっていますが、これからは一体誰が教えていくのかという大変深刻な問題を教育の現場がかかえているのです。現状は教員養成も極めて貧困なのです。ですから、社会経験豊富な方に是非教育現場に立ってもらうことと合わせて、若い教員をこれからどんどん採用していかないと大変なことになるということを知ってもらいたいと思います。駄目な先生は教育現場から排除し、教育以外の職場に配置転換すべきです。他方若い先生でやる気を持っている先生をどんどん養成していくこともやっていかなくてはいけません。ある公立中学校で、英語を半年間生徒に教えなかった英語の先生がいたそうです。半年はこどもにとって取り返しができません。その教師ももちろんですが、それを放置してきた学校と教育委員会の責任はきわめて重大です。それから、全国の中等教育(中学・高校)のモデルとなるようなスーパースクールをつくることも必要ではないかと思います。現在は構造改革特区を使えば、公設民営型の学校が出来るようになりました。たとえば、公立高校を、学校法人などが運営をするということが出来るようになりました。これからはモデルとなるような学校をつくるべきだと思います。トヨタが今度学校をつくりますが、教育への危機感のなかで経済界が具体的に動き始めました。埼玉経済同友会が力を合わせれば、日本有数のスーパースクールを埼玉の地につくることも可能だと思います。

学校法人 中央情報学園
中央情報専門学校
〒352-0001
埼玉県新座市東北2-33-10
TEL:048-474-6651
FAX:048-475-1819

この「どうする日本の教育!」は、私、岡本比呂志が平成17年5月25日に開催された埼玉経済同友会主催の「会員懇談会」において、講演をさせていただいたときの講演要旨です。是非皆様にもご一読していただき、ご感想やご意見を頂戴できましたらありがたく存じます。

【質疑応答】
Q.日本の教育はこのままではまずいと思って今日参加された方が多いと思います。特に初等中等教育はこのままでは本当にまずい。いまの段階で、ニートが八五万人出ています。これは一〇年前の教育がまずいからです。現在の初等中等教育がまずいと今後ニートが二〇〇万人になってしまう。埼玉経済同友会として、何か行動を起こすべきなのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

A.おっしゃるとおり、ニート・フリーター問題は大変深刻な問題です。仕事を覚えない、学校にも行かない、働きたい時だけアルバイトをする。結婚もするかどうかわからない。しかも、二〇代ならまだしも、三〇代、四〇代とか日本の社会を支える年代で何百万人とかがニート・フリーターの人たちになれば、それは大変な社会問題です。年金制度なども吹っ飛んでしまいますし、科学技術を支える人材が育たなければ、日本の存立に係わることだと思います。ただ、ニート・フリーターといっても十ぱひとからげにすることはできません。中には夢追い型、やりたいことがあってなかなかそこまでいかないような、真面目な方もいます。仕事が見つからない、やむを得ず型があります。特に深刻なのが、そもそも働きたくない、好きな音楽聴いて、好き勝手にしていたい、好き勝手型が問題です。そもそも親が問題をかかえているケースが多いのですが、親を教育するところがどこにも無いのです。まだ私学は、保護者と学校が密接に連携し子供を共に育てる「共育」をやっていますが、公立ではそれがなかなか出来ません。ですから、しつけとか基礎的なことができていないのです。それから、公立は学校教育の中にマネージメントがないと思っています。いま、埼玉県では四万二千人教員がいますが、県の教育委員会では、不良教員の処分が後を絶たない。公立は校長先生には人事権はありませんし、給料も決められません。要するにマネージメント権限が無いのです。アメリカでは、コミュニティスクール、地域や産業界の人が評議員とか理事会をつくって学校の教育内容について一緒になって決めていくことができます。ですから、家庭の教育問題、親の教育についてどうするかとか、学校を地域・産業界の皆さんがどうサポートするか、地域の教育のあり方をどうするかなどについて、埼玉経済同友会として提言していくことも出来るのではないでしょうか。

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この「どうする日本の教育!」は、私、岡本比呂志が平成17年5月25日に開催された埼玉経済同友会主催の「会員懇談会」において、講演をさせていただいたときの講演要旨です。是非皆様にもご一読していただき、ご感想やご意見を頂戴できましたらありがたく存じます。

その中で、あるべき日本人像としては、「科学技術創造立国」を支える、産業競争力を支える高い学力と職業意識、豊かな日本を支える、勤勉で誠実で心優しい人を育てていくこと、家族や同朋を愛し、社会のために何かをしたいというマインド(公共心)がある人を育てていかなければいけないと思っています。結びに、子供たちを立派に育てていくためには、大人自身が夢を持たなくてはいけないし、大人が若い人たちに、子供たちに夢を語っていかなくてはいけないと思います。私たちは明日の日本のために、明日の日本を担う若者や子供たちに、すばらしい日本の社会を創っていくよう語っていく責務があると思います。ご清聴ありがとうございました。

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それではどういう日本人をつくっていくのか。国際社会の環境変化、グローバリゼーション・IT・ネットワーク社会において激しい国際間の競争は避けて通れません。しかし、弱肉強食や勝ち組、負け組みといわれる競争だけではやはりいけません。「競争」と「協力」を内包する「共生社会」を作り上げていくことが大事ですし、日本人の良さはそれができることです。阪神淡路大震災のときに日本人はみんなで助け合った。協力をベースとした日本のコミュニティ社会は崩壊しつつあるのですが、まだ完全に壊れてはいません。まだ残っているのです。

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