岡本比呂志 Profile

日本の教育、イノベーション、IT、ビジネス|岡本比呂志

2013年02月

平成16年度文部科学省委託 専修学校ITフロンティア教育推進事業
「ITアーキテクト育成に関する教育プログラムの開発」の挨拶

本事業の目的は、このような人材のアンバランスを解消す
るために、主に、「ITスペシャリスト」人材を「ITアーキテクト」
人材に育成する教育プログラムを開発することでした。
ITSSでは「ITスペシャリスト」職種を「プラットフォーム」、「
システム管理」、「データベース」、「ネットワーク」、「分散コン
ピューティング」、「セキュリティ」の六つの専門分野に分け、
スペシャリストの名の通り、ITにおけるそれぞれの分野ごと
の技術的側面に関する専門スキルを定義しています。
一方、「ITアーキテクト」職種の主な活動領域は、「戦略的
情報化企画」、「ソリューション設計及び開発」と定義されます。
すなわち、「ITアーキテクト」職種には、ITの専門技術に加え
て、その技術の適用業務に関する幅広い実践的な知識と優
れた問題解決能力が求められますが、このような知識や能力
を身に付けるには、具体的事例に取材したケーススタディが
有効です。

 ~岡本比呂志

平成16年度文部科学省委託 専修学校ITフロンティア教育推進事業

「ITアーキテクト育成に関する教育プログラムの開発」の挨拶平成14年12月にITスキル標準(ITSS)が公表されてから、IT業界においてはITSSに基づく人材評価の取組みが盛んになっています。
その取組みが進むに連れて、「ITアーキテクト」職種に該当する人材が、「ITスペシャリスト」職種に該当する人材に比べてかなり少ない実態が明らかになってきました。両職種の関係を家屋の建築にたとえるならば、ITアーキテクトは設計者に相当し、ITスペシャリストは施工者に相当します。設計に問題があれば、設計通りの施工をしても家が長持ちしないのと同様、ITアーキテクトが不足しているという人材のアンバランスがあると、システムのメンテナンス等に対するコストの増加、システムの生産性の低下、更なる人材不足感の蔓延といった悪循環が懸念されます。

岡本比呂志

平成15年度 文部科学省委託 専修学校先進的教育研究開発事業
「ITスキル標準に対応した学習評価システムに関する研究開発」挨拶より

こうしたなかで、平成14年12月、経済産業省が発表した、
「ITスキル標準」はIT業界がどのような方向に進むべきか、
またITプロフェッショナルの職種およびスキル内容・スキルレベルを規定し
ITプロフェッショナルをどのように育成すべきであるかを明確にした、
大変貴重な体系です。
これは、IT業界やユーザー企業が求めるIT人材ニーズにいかに応えていくかという
課題に真正面から取り組んできた専門学校においても、今後のIT教育の重要な
指針となりうるものです。われわれ自身、今後「ITスキル標準」とその考え方を
大いに研究し、そのエッセンスを教育課程に積極的に取り入れ、体系的な
IT教育を実践していきたいと考えております。

文部科学省から委託を受けた本プロジェクトの成果が、広くIT教育に携わる
多くの関係者と、将来ITプロフェッショナルとして身を立てようと志している
多くの学生の皆さんにとって、少しでもお役にたつことができれば、
こんなに嬉しいことはありません。

最後に、実施委員会のメンバー始めご協力をいただいた皆様、
関係者各位に心から感謝を申し上げてご挨拶とさせていただきます。

岡本比呂志

平成15年度 文部科学省委託 専修学校先進的教育研究開発事業
「ITスキル標準に対応した学習評価システムに関する研究開発」挨拶より

他方、日本は世界第2位の規模を誇るIT投資市場国でありながら、
IT投資によって日本の経済や産業の競争力強化という成果が
思うように上がっていないという現実問題に直面しています。
実際に、この問題を深刻に受け止めて反省する動きが、政府からも
IT業界からも出てきました。ITはあくまで「ツール」(道具)であって、
それ自身で価値があるわけではありません。ITによって企業活動がどう
改善強化されたのか、ITによって国民の生活や政府・自治体のサービスは
どのように良くなったのか、という視点こそが最も大切です。

岡本比呂志

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