岡本比呂志 Profile

日本の教育、イノベーション、IT、ビジネス|岡本比呂志

2013年01月

平成15年度 文部科学省委託 専修学校先進的教育研究開発事業「ITスキル標準に対応した学習評価システムに関する研究開発」挨拶より

本来、教育は教育活動を始める以前に、その目的と目標が明確になっていなければなりません。教師が学生に対して、どのような目的で、何をどのようにどこまで教えるかが明確になっていなければ、教育の成功は覚束ないわけです。しかしながら、情報教育やIT教育においては、この教育の大前提を明確にすることは必ずしも容易なことではありません。というのも、IT(Information Technology)即ち情報技術は、この20年間で歴史的な技術革新を遂げつつあり、また、ITを提供するITベンダーやITを導入したユーザ企業の環境も劇的に変化してきたからです。
これは、IT技術者に求められる技術や専門知識、ビジネス上のスキルが日進月歩で進化し、多様化し、高度化してきたことを意味するものであり、言い換えればIT教育がいかに自己革新の連続を迫られてきたかということでもあります。しかも、この進化は現時点においても依然として収束してはおりません。むしろ、これから先の20年間でITを巡る環境は、更に劇的な進化を遂げるであろうことは想像に難くありません。

岡本比呂志

今、子どもたちや親を取り巻く環境、また教育を取り巻く環境は決して平坦な道ではありません。少子化の問題は日本の将来に重大なインパクトを与える国家的大問題でありますが、今なお、解決の展望が見えておりません。
また、教育は本来、親子の絆、地域社会の人間関係といった社会の絆の上に立ってはじめて、学校教育が大いに力を発揮すべきものであるものでありますが、現在の日本はそうした社会の教育力とも言うべきものが大変衰弱しているところに、今日の教育の難しさがあるように思います。
しかしながら、将来の日本をどうしていくのか、そのためにどのような人材を育成すべきであるか、という問題に正面から向き合おうとする声も日に日に高まってきております。
私たち埼玉の私学は、これからも、さらにさらに精進を重ね、建学の精神と魅力ある教育理念とその実践に一層磨きをかけて、子どもたちの成長とご父母の皆様の信頼に応えていかなければなりません。
 ~岡本比呂志

「埼玉私学」第29号(平成18年6月発行)より   人間教育と日本の未来
教育は、一人ひとりの人間が将来どのような人間として成長し生涯を送っていくのかという点において、また教育によって社会と国家がどのような形で形成され発展していくのかという点においても、決定的な影響力を有しています。
そして、この教育において極めて重要な役割を果たすのが、教育理念です。教育は、決して断片的な知識の伝達や小手先の技術で行われるものではありません。
どのような人間形成を目指していくのかという明確な教育理念がないところに真の教育は存在しないと言えましょう。

ところで、今の日本社会に一番欠けているのは、他者や弱いものへの思いやりと公共の精神ではないでしょうか。今、毎日のようにニュースで多くの犯罪が報じられるにつけ、私たちは暗澹たる気持ちにさせられます。こんな日本で果たして良いのでしょうか。
自分の欲望を満たすためには平気で人や子どもを殺したり傷つけたりする人間があまりにも多すぎます。

戦後教育の良かったところは正当に評価しながらも、戦後教育に欠けていたものが何であったかを、今社会全体で真剣に反省していかなければ、日本の未来はありません。教育において、幅広い知識と教養を身に付けるとともに豊かな情操と道徳心を培うこと、すなわちしっかりとした人間教育が今こそ重要な時はありません。戦後日本の教育の根本を規定してきた教育基本法が、今戦後初めて見直されようとしていますが、是非教育の正しいあり方が明確に指し示されるよう見守っていきたいと思います。
日本の私学、そして私たち埼玉の私学が、子どもたちの人間教育・人格形成においても、これまで以上に素晴らしい実績を上げ、保護者と社会からより一層高い評価を受けて益々発展しますことを心から祈念申しあげます。

 
岡本比呂志

「埼玉私学」第28号(平成17年6月発行)より 私学と二十一世紀日本の教育 これからの日本の教育は、世界トップレベルの学力にする教育と21世紀に相応しい人間教育を行い、産業競争力を支える高い知力と職業意識、勤勉・誠実で心優しい人間の形成が求められています。 そして、それを担うことができるのが、日本の私学であり、埼玉の私学です。「日本一の教育立県・埼玉」を掲げる上田知事の下、私たち埼玉の私学は、親や地域の皆様と力を合わせて、子どもたちの未来のため、日本の未来のために、前進していきましょう。 ~岡本比呂志

このページのトップヘ