平成15年度 文部科学省委託 専修学校先進的教育研究開発事業「ITスキル標準に対応した学習評価システムに関する研究開発」挨拶より
本来、教育は教育活動を始める以前に、その目的と目標が明確になっていなければなりません。教師が学生に対して、どのような目的で、何をどのようにどこまで教えるかが明確になっていなければ、教育の成功は覚束ないわけです。しかしながら、情報教育やIT教育においては、この教育の大前提を明確にすることは必ずしも容易なことではありません。というのも、IT(Information Technology)即ち情報技術は、この20年間で歴史的な技術革新を遂げつつあり、また、ITを提供するITベンダーやITを導入したユーザ企業の環境も劇的に変化してきたからです。
これは、IT技術者に求められる技術や専門知識、ビジネス上のスキルが日進月歩で進化し、多様化し、高度化してきたことを意味するものであり、言い換えればIT教育がいかに自己革新の連続を迫られてきたかということでもあります。しかも、この進化は現時点においても依然として収束してはおりません。むしろ、これから先の20年間でITを巡る環境は、更に劇的な進化を遂げるであろうことは想像に難くありません。
~岡本比呂志~