ブラジル・ペルー海外経済視察に参加して

よく「アメリカは人種の坩堝である」と言われることがありますが、この南米こそ、その名にふさわしいように思えます。南米大陸の人口は5億4800万人ですが、うち4400万人が先住民族すなわちインディオの子孫です。また、ブラジルは、人口1億8600万人ですが、16世紀のポルトガルの植民地になってから、農園の労働力としてアフリカから連れてこられた黒人の奴隷の子孫が6%またその混血が38%と言われています。また、欧州系も55%の人口を有していますが、それもポルトガル系、ドイツ系、イタリア系など多岐にわたっています。このような複雑な社会構造を持つブラジルは世界的にも大変貧富の差が激しい国となっています。

また、GDPの約50%が今回訪問したサンパウロ、リオデジャネイロそれにミナスジェライスの3州に集中しているのが現状です。サンパウロやリオの中心部は高層ビルが林立し、経済発展が見て取れますが、バスで一歩郊外に出ると景色は一変し、スラム街が長く続く光景を何度も目にします。こうした地域間の経済格差、貧富の格差にどう取り組んでいくのかが今後の大きな政治的課題です。

-国際委員長 岡本比呂志