※「埼玉私学」第28号(平成17年6月発行)より 私学と二十一世紀日本の教育
※今年日本は、戦後60年、21世紀に入って五年目を迎えました。 バブル崩壊に続く「失われた15年」を経て、漸く日本経済にも復活の兆しが見えてきました。他方、2006年、来年には日本の人口がピークを迎えます。2007年から、おそらく数十年にわたり人口が長期的に減少する、本格的な「少子高齢社会」に突入していくことになります。 仕事もしない学校にも行かないニートやフリーターの増加、青少年犯罪の低年齢化・凶悪化、更には、子どもの人格を形成する上で決定的に重要な役目を果たす家庭の崩壊や親の責任放棄などが、今日深刻な社会問題になっています。今私たちにとって、もっとも大切なことは、未来に対して夢や希望を失わないことです。その鍵を握っているのが教育です。21世紀の日本が、単なる経済大国ではなく、「科学技術創造立国」を目指し、経済的な豊かさと精神的な豊かさを併せ持つ国になるためには、何よりも、国をあげて教育に取り組むことが必要です。正に、教育は国の根幹をなし、一国の盛衰を決します。 ~岡本比呂志